期待を裏切らないおしゃれなサウンドが印象的な公園少女の「RED-SUN(021)」。丁寧に作り込まれた世界観がMVにも曲にもダンスにも表れていて、まるで演劇作品を観ている気分にさせられます。
わたしの中の公園少女のイメージは、とにかく“おしゃれ”。MVも毎回おしゃれなんですが、なによりも楽曲自体が本当におしゃれなんです。K-POPの曲を表現するときに、わたしはよく“スタイリッシュ”を使いますが、公園少女に関しては“スタイリッシュ”よりも“おしゃれ”の方がしっくりくる気がします。
“スタイリッシュ”と“おしゃれ”の違いがなんなのかに関しては、完全にわたしの感覚的なものになるんですが、“スタイリッシュ”の方には、例えば電子音バキバキだったりとか、サウンド的にエッジが効いた強めなイメージがあるんです。“おしゃれ”の方にはその強めなイメージがなくて、純粋にセンスが良くて抜け感がある感じで、ナチュラルな雰囲気の曲にも使えるイメージになります。まあ、そんなに厳密に使い分けているわけではないんですが…。
そんな感じで、公園少女はわたしの中で抜群に“おしゃれ”なイメージです。特に、楽曲に“引き算の美学”みたいなものを感じます。他のグループの楽曲と比べて、公園少女の楽曲って音数が少ない気がするんです。あんまり音を詰め込まないで、逆に音の余白を活かす曲作りがされていて、音飾も響きが綺麗なものが多い気がします。特にベース音の存在感が強いのが特徴的で、リズム的には変拍子とかを使っているわけではないのに曲に独特のグルーヴが生まれていて、その辺りもおしゃれさを感じる要因になっているんじゃないかなあ。
デビュー曲から一貫してこのイメージは変わらないんですが、じゃあ全部の曲が似ているのかと言えば全然そんなことはなくて、デビュー曲「Puzzle Moon」は幻想的で柔らかな印象、初カムバックの「PINKY STAR(RUN)」はちょっと可愛らしい感じ、今作「RED-SUN(021)」は少しクールな印象と、イメージは崩さずにでもテイストはちょっと変えてくるってのがまたおしゃれで…。ほんとおしゃれの権化って感じです。
ダンスに関しても一貫した特徴があって、それは手の動きとフォーメーションです。歌詞にリンクして手話みたいにせわしなく動く手の振りと、フォーメーションを組んで完成させる振付の組み合わせが、他のグループとはまた異なる公園少女らしいダンスとして定着していますよね。
そして、今作ではミヤのパートがグッと増えましたね!これぞガールクラッシュといった見せ場もあり、本当にかっこよさが際立っています。デビュー曲ではほとんど歌割のなかった彼女ですが、練習生期間も短いですし、きっと語学力の問題も大きかったと思います。そこからカムバックの度に成長していて、本当に頑張っていますよね。デビュー当初はグループの中で存在が少し浮いている印象もありましたが、個性を殺すことなく馴染んでいて、グループとしてのバランスも良くなっている気がします。
デビューから一年ちょっとで、すでに自分たちのカラーを確立している公園少女。楽曲のクオリティも高いですし、作り込まれた世界観はハマる人にはたまらないと思います。中性的なミヤの存在も他との差別化になっていますし、公園少女らしい個性を武器にもっともっと活躍していって欲しいですよね。今作がデビューから繋がる「夜の公園」三部作の完結編になりますが、今後はどんな展開を見せてくれるのか、注目です!